ArcGIS Web AppBuilder は ArcGIS Online あるいは Portal for ArcGIS に組み込まれた機能として提供されており、ウィジェット(機能)やテーマ(デザイン)を組み合わせることにより、GIS やプログラミングなどの専門知識がなくても誰でも簡単に Web アプリケーションを作成できるソフトウェアです。 Developer Edition(開発者向けエディション)はこれらの機能に加え、開発者のためにウィジェットやテーマを独自に開発するためのフレームワークを提供します。また、作成したアプリケーションをダウンロードし、独自のサーバーにホストすることも可能です。
ここでは、ArcGIS Web AppBuilder (Developer Edition) (以下 Web AppBuilder) のインストール手順を説明します。
Web AppBuilder はデフォルトでは Esri の CDN で配信されている ArcGIS API for JavaScript を参照します。そのため、インターネットに接続できない環境で Web AppBuilder を使用する場合、ArcGIS API for JavaScript の参照先を変更する必要があります。ここでは Portal for ArcGIS に内蔵されている ArcGIS API for JavaScript へ参照先を変更する手順を説明します。
<Web AppBuilder のインストール ディレクトリ>\client\stemapp\env.js
ファイルをテキストエディターで開きます。//apiUrl
を検索します。apiUrl= "https://<ポータル URL>/jsapi/jsapi/"
に書き換え、上書き保存します。startup.bat
ファイルをダブルクリックします。このバッチファイルはコマンド プロンプト上で Node.js サーバーを起動します。<Web AppBuilder のインストール ディレクトリ>\server
のパスを指定します。続けて node server.js
と入力します。http://[マシン名]:3344/webappbuilder
にアクセスすると起動します。コマンド プロンプト上で Node.js が起動している間はいつでも、どの Web ブラウザーからでも Web AppBuilder を開くことができます。利用するマシンがドメインに参加しているとき、Web AppBuilder へのアクセスにドメインを含める必要がある場合があります。その際は、http://[マシン名].[ドメイン]:3344/webappbuilder
のようにドメインを含めてアクセスしてください。パラメーターを追加し、他のポート番号を割り当てる
<Web AppBuilderのインストール ディレクトリ>\server
)へ移動します。割り当てたいポート番号と必要に応じてプロキシの URL を入力します。
node_x64.exe server.js [-port=value] [-proxy=value]
node_x32.exe server.js [-port=value] [-proxy=value]
node server.js [-port=value] [-proxy=value]
http://[マシン名]:[ポート番号]/webappbuilder
Windows サービスとして起動する
Web AppBuilder は、startup.bat
ファイルをクリックして起動させるほかに、Windows サービスとして起動させることもできます。
<Web AppBuilder のインストール ディレクトリ>\server
)へ移動します。npm install
コマンドを実行します。npm run-script install-windows-service
コマンドを実行します。npm run-script uninstall-windows-service
コマンドを実行します。
プロキシを利用したい場合は、/~server/package.json
ファイルを開き、"start": "node server.js"
を "start": "node server.js -proxy=<http://your proxy>"
に変更してください。Web AppBuilder で使用するアカウントに紐づく ArcGIS Online またはPortal for ArcGIS の URL を指定します。開発者アカウントをご利用の方は、ArcGIS for Developers の [Account Settings] ページにて URL をご確認ください。
[続行] をクリックします。Web 層認証を使用している場合、次のセクションはスキップしてください。ログイン後、インストールの確認をしてください。
ArcGIS Online または Portal for ArcGIS で OAuth2 認証を使用する場合は、次のセクションでアプリケーション ID を設定する必要があります。
上記で指定した ArcGIS Online または Portal for ArcGIS ではじめて Web AppBuilder を使用する場合、OAuth2 認証を利用できるようにするため、アプリケーション ID を設定する必要があります。
アプリケーション ID を入手するには ArcGIS Online または Portal for ArcGIS に Web AppBuilder をアイテムとして追加します。
指定したポータルへログインします。
コンテンツ ページの[マイコンテンツ] を開きます。[新しいアイテム] をクリックし、[アプリケーション] を選択します。
ダイアログボックスで、[アプリケーションタイプ] に Web マッピング、[URL] オプションに Web AppBuilder の URL を入力し [次へ] をクリックします。
任意のタイトル、保存先のフォルダー、タグとサマリーを設定し、 [保存] をクリックします。これで Web AppBuilder はアイテムとしてポータルに追加されました。
アイテムの追加が完了すると、追加したアイテムの詳細情報のページが表示されます。
[登録] ダイアログが表示されます。[リダイレクト URI] オプションに http://[マシン名]
または https://[マシン名]
を入力して、[追加] をクリックします。HTTP と HTTPS プロトコルは異なる URI として認識されることに注意してください。リダイレクトに関する問題を避けるため、両方のプロトコルを登録することを推奨しています。
[登録] をクリックします。これでアプリケーションの登録は完了です。
Web AppBuilder の起動画面に戻ります。[アプリケーション ID] オプションに入手したアプリケーション ID を入力し、[続行] をクリックします。
Invalid redirect_uri エラー ページが表示される場合は、以下の手順に従ってください。
アプリケーション ID を入手する際に登録したリダイレクト URI に誤りがある場合、アプリケーション ID オプションにアプリケーション ID を入力し、[続行] をクリックすると、エラー ページが表示されることがあります。この場合、登録したアプリケーションの情報を修正する必要があります。
<Web AppBuilder のインストール ディレクトリ>\server
)を開き、signininfo.json
ファイルを削除します。[権限のリクエスト] ダイアログが表示されます。表示されたアカウント情報が正しいことを確認し [承認] をクリックします。
アプリケーション ID は OAuth2 認証に必要です。詳細は 認証をご参照ください。ログインに関する問題は、FAQs および アプリの追加とアプリの登録をご参照ください。
Web AppBuilder は、デフォルトで HTTPS をサポートするために Node.js で自己署名証明書を使用しています。
独自に用意した証明書を使用したい場合は、Web AppBuilder のサーバー ディレクトリ(<Web AppBuilder のインストール ディレクトリ>\server
)にある cakey.pem
と cacert.pem
を置き換えてください。
アプリケーション ID の登録手順の説明は以上です。これで 登録先のポータルへ OAuth2 認証を使用してサインインできるようになりました。次回からは Web AppBuilder を起動すると直接 Web AppBuilder のトップページが表示されます。
これで Web AppBuilder のインストールは終了です。
ここでは Web AppBuilder が正常にインストールされていることを確認するために、アプリケーションの起動確認を行います。