Python には、ArcGIS Pro で使用できるパッケージが豊富に用意されています。Python パッケージの使用を簡素化するために、ArcGIS Pro には conda と呼ばれるパッケージ管理システムが含まれています。 conda は、パッケージとその依存関係のインストールや更新の手間を省きます。 個のガイドでは ArcGIS Pro を使用したインストールの流れについてご紹介します。
ArcGIS Pro では、2.5 以降のリリースから conda と arcgis
パッケージが最初からインストールされています。 conda の機能は、パッケージ マネージャー を通じて ArcGIS Pro に統合されています。ArcGIS Pro 2.5 以降では、任意の conda パッケージをダウンロードしてインストールするための パッケージ マネージャーの GUI が提供されています。ArcGIS Pro の設定画面からアクセスすることができます。
(ArcGIS Pro 3.x)①[環境マネージャー]ボタンと環境の②[デフォルトのクローン]ボタン
(ArcGIS Pro 3.x)環境をアクティベート
アクティブ化した環境でインストールされているパッケージを確認したり、更新やパッケージの追加オプションを使用して、クローン環境をニーズに合わせて変更することができます。
パッケージ マネージャー を使用して arcgis パッケージをアップグレードすることはできません。arcgis パッケージのアップグレード手順については、「パッケージのアップグレード」のセクションを参照してください。
ArcGIS Pro には、任意の conda パッケージをダウンロードしてインストールするための Python コマンド プロンプトが提供されています。
デフォルトでは、Python コマンド プロンプトは ArcGIS Pro のデフォルトの arcgispro-py3 環境ディレクトリ(通常は C:\Program Files\ArcGIS\Pro\bin\Python\envs\arcgispro-py3\ ) で開き、デフォルトの conda 環境がアクティブになります。
さらにパッケージを追加するには、デフォルトの arcgispro-py3 環境のクローンを作成する必要があります。Python コマンド プロンプトでクローン環境を作成する手順についての詳細は、Clone a Python environment with the Python Command Prompt を参照してください。クローン環境を既に作成している場合は、以下のコマンドを使用してクローン環境をデフォルトの環境に変更することができます。
proswap <環境名>
conda install -c esri arcgis=<バージョン番号>
Python コマンド プロンプト
デフォルトの arcgispro-py3 環境は変更できません。パッケージをアップデートする場合は、クローン環境を作成してください。また、パッケージ マネージャーでは arcgis パッケージを更新することはできません。以下のようにPython コマンド プロンプトを使用します。
activate <環境名>
conda install -c esri arcgis
コマンドの入力
y
を入力し、実行します。n
を入力・実行し、以下のコマンドを再入力してください。conda install -c esri arcgis --no-pin
ArcGIS Pro のバージョンによってはデフォルトの設定で、アップグレードできる Python API のバージョンの上限が指定がされています。
conda install -c esri arcgis --no-pin
のうち、--no-pin
がバージョンの指定を外して最新版までアップグレードするためのオプションです。
ただし、デフォルトの設定が変更されるわけではないため、アップグレード後に他のパッケージをインストールしようとすると、設定された上限のバージョンにダウングレードするように conda で計画されます。
その場合、そのパッケージをインストールした後に再度上記のコマンドを入力し arcgis
パッケージをアップグレードしてください。
conda list arcgis
cd
コマンドを使用して、ノートブックがあるディレクトリ、またはノートブックを作成したいディレクトリに移動します。jupyter notebook
jupyter-notebook
または、スタートメニュー > すべてのプログラム > ArcGIS > Jupyter Notebook を選択しても起動することができます。
Jupyter Notebook の詳しい操作は Jupyter Notebook を使ってみようもご覧ください。 Python API バージョン 1.5.0 以降からは、Jupyter Lab からも操作が可能です。Jupyter Lab を使ってみようも是非ご覧ください。
次の手順で、地図を表示するための新しいノートブックを作成します。
次のコードを入力します。
from arcgis.gis import GIS
my_gis = GIS()
my_gis.map()
Jupyter Notebook から使用している Python API のバージョンを確認する場合、次のコードを実行することで、現在お使いのバージョンを確認することができます。
import arcgis
arcgis.__version__
もしくは、先頭に !
を付けて以下のようにコマンドを実行して確認することも可能です。
!conda list arcgis
インターネットに接続していない環境の場合、次の手順で Python API のインストールが可能です。
ただし、この場合、すべての依存パッケージがインストールされるわけではないため、Jupyter Notebook の利用など、一部の機能が制限される可能性があります (※ 組織やコンテンツの管理など特定のタスクは以下手順でインストールする six パッケージのみで可能です。)
依存パッケージについては米国Esri 社のガイドページ:System requirements を参照ください。
インターネットに接続できる環境で以下の必要なソフトウェアをダウンロードします。
オフライン環境で Anaconda を設定
conda config --set offline True
conda create -n <環境名> python six
conda activate <環境名>
conda install <事前にダウンロードしたファイルのパス>
“done"が表示されればインストール完了です。
より詳しい情報は Esri ガイド ページ Install-Offline をご覧ください。
Jupyter Notebook に特定の Python 環境でカーネルを追加するには、以下で説明する手順に従います。
python -m ipykernel install --user --name <環境名> --display-name "<Jupyter Notebook 上の表示名>"
Installed kernelspec <カーネル名> in C:\Users\<user>\AppData\Roaming\jupyter\kernels\<カーネル名>
activate <環境名>
Jupyter Notebook
このような方法で特定の異なる環境のカーネルを作成し、Jupyter Notebook 上で切り替えられるようになります。 また、特定の環境のパスを指定してカーネルを作成する方法については Kernels for different environments を参照してください。
インストールに関しての詳細は Esri ガイド ページ Install and set up もご参照ください。